年金記録の統合は大変

手続き支援

年金事務所で被保険者記録の確認に行くと、厚生年金保険の記録が抜けていることがあります。

でも、年金事務所の職員さんが、氏名と生年月日で検索してその抜けている記録をちゃんと見つけてくれます(見つからないこともあるでしょうけれど)。

しかし、それをあっさりと紐づけしてはくれません。

その事業所名や所在地、加入期間などを言い当てなければならないのです。

年金事務所の職員さんが「この記録はあなたのものですか?」とは言ってくれません。わずかなヒントを教えてくれることもありますが、それで思い出せないようだったら本人の記録ではない、ということになってしまうのです。

マイナンバーの別人紐づけ問題が色々と言われていますが、年金記録に関してはその点、とても徹底しています。

氏名と生年月日が同じ記録が見つかっても、同姓同名の別人の年金記録かもしれないので、確実に本人の記録であることを確認してからの紐づけ作業となります。

しかし、これが困難を極めることがあります。

先日、ご本人さんが入院となり、ご家族経由で障害年金の手続きをご依頼いただきました。現在は50歳代です。

早速、年金事務所で記録を確認すると、高校卒業後いくつかの職を転々としていたというお話だったのに、厚生年金保険の加入記録が含まれていません。そこで、検索をお願いしたところ、いくつかそれらしき記録が見つかりました。

ご家族から聞いてきた社名を言うと、「その名称ではないですね…。」

所在地を言うと、「それも違いますね…。」

ええ~~~?

「もしかしたら、年金記録は本社の名称や所在地になっていて、それで一致しないのかもしれないですね。何かしらの情報が合致しないと、この記録をご本人さんのものとは認定できないんです。」

ほかの記録(それっぽいのが3つ見つかっています)についても同様に一致しません。

80歳代のお父さんや別に暮らしていたご兄弟の記憶では正確性に欠けるようです。しかし、ご本人は症状が重く、過去の就労のことを思い出せる状態ではありません。

何とかして、過去に勤めていた会社に関する情報をご家族に探していただいたところ、なんと、別の記号番号が振られた年金手帳を見つけてくれました!

喜び勇んで年金事務所へ行き、やっと記録を今の基礎年金番号に統合してもらえました。

これで年金手帳が見つからなかったら、せっかく若い頃に納めていた厚生年金保険料が無駄になる(その加入記録に基づく老齢厚生年金がもらえない)ところでした。

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