第三者証明が何とかなれば…

手続き支援

初診日の証明が取れないという方のご家族から相談があり、昨日、ご本人のお父さまと弟さんにお会いしました。ご本人はとても外出できる状況にないとのことでした。

お聞きすると、20歳前から色々な医療機関を転々としていたものの門前払いのような状態が続き、21歳の時にやっと大学病院で診断がついたそうです。大学病院にはカルテが残っていたので受診状況等証明書を書いてもらえたものの、前医の記載はありませんでした。

それでも特に疑問を持たず、とにかく役所に指示された書類一式をそろえて役所に持っていったところ、大学病院の初診日では納付要件を満たさないと言われてしまったそうです。

20歳を超えてからはずっと未納が続いているそうなので、20歳前に初診があったことを証明しない限り、納付要件を満たせないので障害年金は受給できません。

慌てて大学病院の前に受診していた医療機関に電話をかけまくったものの、今から20年以上も前の話なので、カルテの保管がなかったりすでに廃院していたりで、どこからも受診状況等証明書を書いてもらえず。診察券もすでに捨ててしまっていて手元には何もなし。

役所からは第三者証明の用紙を渡されたものの、果たしてこれでうまくいくのか…と不安になり、私のところにご相談をくださったそうです。

う~ん。困りましたね…。

入院したこともあったそうなので、中学時代や高校時代の通知表に欠席日数の多さが残っていたりしませんか?とお聞きしましたが、通知表が残っていないとのこと。

残る証明方法はやはり第三者証明です。可能性があるお相手は近所の人とか友人とかだそうで、医療従事者ではない方からの第三者証明では効力がないのではないか…とご家族は心配されていました。もちろんそんなことはなく、友人などでも複数人いれば大丈夫なのですが、問題はどこまで通院の事実をご存じだったのかという点です。

ご家族も相当参っていたので、助けてあげたいという気持ちが相当動きました。

しかし、診断書や病歴・就労状況等申立書など他の書類はすべてそろっていて、あとは第三者証明だけで、その第三者証明が怪しい… という状態ではお引き受けすることができません。

もし第三者証明が何とかなりそうであれば… の時に備えて、病歴・就労状況等申立書の書き方をアドバイスし、日本年金機構のホームページにはExcel版もあることをご案内して相談を終了しました。気づけば3時間ほどお話ししていました。

未納期間がネックになる方からの相談は結構あります。

未納期間がほとんどなく、かつ、事後重症による請求ならば、うすぼんやりとした初診日証明であったとしても何とか認めてもらえることが多い印象です。しかし、ここが初診日なら大丈夫だけど初診日が少しずれると納付要件でNGになるというケースでは、できる限り初診日を明確にする必要があります。

「保険料の支払いが必要だなんて聞いたことがなかった。」「親がちゃんとやってくれていると思っていた。」「若いころはそんなこと普通は考えてないでしょ。」

色々なご意見を伺います。

せめて未納部分をすべて追納すればOKにするくらいに制度を改められれば…と考えることもあります。もちろん、場合によっては莫大な金額になりますが。(年間で約20万円なので、免除申請もせずに20年間の未納なら400万円です…。)

しかし、現行制度では初診日の前日までに納付や免除申請をしていないとアウトです。(老齢年金には効果のある追納も、本来の納期限から10年以内が限度です。)

本当に残念です。

手続き支援